コーヒー器具が多種類なのはなぜ→包丁や鍋と一緒 | ハウカフェ
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コーヒー器具は無限にある
カリタ式ドリッパー、メリタ式ドリッパー 、エアロプレス、プレンチプレス、サイフォン…ペーパーフィルター、ネルフィルター、金属フィルター…手動ミル、電動ミル。細口ポット、保温ポット…
コーヒーの器具って無限にありますよね。
そもそもなんでこんなに器具がたくさんあるかと言うと味の仕上がりイメージと、それを実現するルートの組み合わせが無限にあるからです。
極論コーヒーの抽出とは挽いた豆にお湯をかけることでしかありません。逆に言うと挽いた豆にお湯をかけることさえできればなんでもいいわけです。
豆はスリコギで叩いて潰してもいいし、臼で引いてもいいし、包丁で刻んでも構いません。
お湯のかけ方も、細口ポットでちょろちょろ注ぐ、お湯に粉を入れて上澄液を濾す、鍋で煮込む、蒸気をかける、などなどどれでもコーヒーは抽出できます。
フィルターも飲むときに邪魔になりさえしなければいいので、紙でも布でも金属でも、料理用のザルでも作れます。そもそもフィルターなしで上澄液をそっと飲んでも十分にコーヒーです。
ではなぜ器具を使うことになっているか
それは楽に安定しておいしくなるからです。そしてそれはお料理の際に包丁や鍋、その他のキッチングッズを選ぶ時と全く同じ考え方なのです。
「お肉を焼こう」と思った場合、一般家庭では
- ステーキ用のお肉を買ってきて
- 三徳包丁で切って
- 平べったいフライパンで焼く
という風にすると思うんですが、適切なサイズのお肉が焼けさえすればいいので
- 塊肉を買ってきて
- 牛刀で小さく切って
- 低温調理機で火を入れて
- トースターで表面を焼く
としても同じようにお肉は焼けるわけです。もしくは
- 牛の部位ごとスライサーに入れて
- ベルトコンベアのオーブンに流す
という方法で焼くかもしれません。
このようにどうやってでもお肉を焼くことはできるものの、味や見た目の仕上がりが大きく変わることになります。
また最初の方法はすでにある器具でできるから楽だよね、二番目が多分一番美味しいよね、三番目は大量生産に向いてそうだねなどなど良さが違います。
調理器具を使い分けるというのをコーヒーで考える
これをコーヒーに当てはめた場合
- 挽いてある豆を買ってくる
- カリタのドリッパーにペーパーフィルターを乗せる
- 細口ポットでお湯をかける
というやり方であったり
- 挽いていない焙煎豆を買ってくる
- 手動ミルで一杯分挽く
- エアロプレスでペーパーフィルターで淹れる
であったり
- 生豆をキロ単位で仕入れる
- 電動焙煎機でドカンと焙煎
- 電動ミルで挽いて
- ネルフィルターのサイフォンで抽出
であったりします。
つまりコーヒーを抽出する方法は無限にあるので仕上がりのイメージに合わせて用途の違う器具が用意してあるというのが本来の存在意義になります。
でも実際、毎日何倍も淹れ続けるプロでもない限りそんなややこしいことを考えるよりもまずは雰囲気で選びますよね。
私もそれで全然いいと思っています。気に入った器具でゆっくり淹れることの幸せには何も敵いません。
それでも外したくないという方には下記の組み合わせをお勧めします。ご参考にしてください。
- 焙煎豆を挽いていない状態で少量買う
- 安い電動ミルで飲む直前に一杯分だけ挽く
- エアロプレスの紙フィルターで抽出する
もう一段美味しいコーヒーが飲みたい方はこのあたりを読んでいただけるとヒントがあるかもしれません。
- コーヒードリップは神の技術→激ムズで料理人並みの修行が必要
- コーヒーの抽出とは何か→挽き、量、焙煎、鮮度、温度、湯量、時間
- コーヒーのフィルターの違いは?→ペーパー、金属、ネル、陶器
- コーヒーの淹れ方黄金パターン→90度、10g、中粗、150ml、1分
- 楽に美味しいコーヒー飲みたい→定番の豆を電動ミルであとは適当!
- コーヒーは一瞬でマズくなる→焙煎後3日、挽いて1分、淹れて1分
The variations of coffee equipment are infinity.
Kalita type dripper, Melita type dripper, Aeropress, french press, siphon ... Paper filter, flannel filter, metal filter ... Manual grinder, electric grinder. Narrow mouth pot, heat insulation pot ...
So why are there so much equipment?
Because there are so many ideal tastes and so many ways to reach there.
You know, "Brewing" is just only "Put some hot water on grinned beans".
You can crush the beans with a club, grind with a mortar, or carve with a kitchen knife.
When you want to extract with hot water, pour in a narrow pot, put the powder in hot water and strain the supernatant, stew in a pot, sprinkle steam...coffee can be extracted with any of these.
You can make it with paper filter, flannel, metal, a cooking colander, even without a filter.
Why are you supposed to use equipment?
Because it's easy, stable and delicious way.
And that's exactly the same idea when choosing kitchen knives, pots, and other kitchen goods when cooking.
Since there are an infinite number of ways to extract coffee, the most important purpose of existence is to prepare equipment for different purposes according to the ideal tastes.
But in fact, unless you're a professional who keeps brewing many times every day, you'll choose the atmosphere first rather than thinking about such complicated things.
I also think that's all right. The happiness of slowly brewing with your favorite equipment is second to none.
If you still want to know the good way, I recommend the following combinations
- Buy a small amount of roasted beans without grinding.
- Grind just before drinking with a cheap electric grinder.
- Extract with AeroPress and paper filter.
I wish you can find the best one cup!